大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和51(あ)364 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人真部勉の上告趣意第一について

所論は、憲法三六条違反をいうが、絞首による死刑が憲法三六条に違反するもの

でないことは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日

大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁、昭和二六年(れ)第二五一八号同三〇年四月

六日大法廷判決・刑集九巻四号六六三頁)とするところであるから、論旨は理由が

ない。

同第二、第三について

所論は、量刑不当、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条

の上告理由にあたらない。なお、記録を精査しても、同法四一一条を適用すべきも

のとは認められない。(被告人は犯行当時心神喪失又は心神耗弱の状態になかつた

とした原審の判断は、原判決挙示の証拠及びその説示に照らし、正当として是認す

ることができる。また、本件は、妻に家出された被告人が、妻の父母姉弟らが妻を

逃避させているものと思い込み、妻の身内の者らを皆殺しにしてその住居を焼き払

おうと決意し、稼働していた大阪市をたつて妻の実家のある沖縄県名護市に赴き、

その途中刃体の長さ約二六センチメートルのステンレス製料理用包丁一本及びガソ

リン約二七リツトルを買い求めたうえ、ガソリンを妻の実家付近の藪に隠して置き、

包丁を隠し持つて同家を訪れ、四日間同家に泊り込んで機会をうかがい、深夜一家

の者が寝静まつたところを見計らつて、順次、妻の弟、母及び父を突き刺し、よつ

て弟及び母を即死させ、父に重傷を負わせ、逃走中窃盗を犯したものであつて、犯

行の動機、計画性、態様、犯行後の行状、被害者遺族に与えた打撃、犯行の社会的

影響などを考えると、被告人に有利な事情をすべて参酌しても、被告人の責任はま

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ことに重いものといわなければならず、原審の維持した第一審判決の科刑はやむを

得ないものとして、当審もこれを是認せざるを得ない。)

よつて、刑訴法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致

の意見で、主文のとおり判決する。

検察官鎌田好夫公判出席

昭和五二年四月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 服 部 高 顯

裁判官 天 野 武 一

裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 高 辻 正 己

裁判官 環 昌 一

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